はじめに

2018年11月24日に「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」主催の資格試験の1つである「G検定」を受験致しました。

合格発表は、2018年11月30日のために自分の合否は分かりませんが、合否に関係無くこれから受験を検討される方々に試験の様子や受験しての反省を伝えたいと思います。

G検定とは

「G検定」の「G」とはGeneralistの頭文字「G」を意味しています。

「検定・資格概要」に掲載されているように以下を有資格者として認定します。

G検定 ジェネラリスト

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材

一般社団法人日本ディープラーニング協会「資格試験」より引用

即ち深層学習(ディープラーニング)を人工知能のキーテクノロジーとして捉え、その今に至る技術の歴史や用語、技術の本質を捉え、 研究所、大学、AI導入企業などで活躍しているAIエンジニアと円滑なコミュニケーションが図れることを目的としていると捉えています。

受験の背景

まず私がこの資格を知ったのは、実はDeepMind社の「AlphaGo(現 AlphaZero)」の追っかけをしていたからです。

その次に日本の囲碁AI「DeepZenGo」の開発を時事ニュースで知り、その開発を強力にサポートしていたのが、 東京大学大学院特任准教授松尾豊研究室です。 DeepZenGoに携わる開発者全員は、先にプロを倒した「AlphaGo」の打倒に日本を代表して尽力していた事や囲碁AIを作る難しさを理解していた自分は、「松尾豊」准教授の存在が凄いと感じました。

松尾さんをベンチマーク及び研究していると日本の人工知能を先導している1人であることが理解できました。 その上で松尾さん著書の「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」を一読し、 自分が予想している来るべきAI時代へのビジョンが一致していると感じたからです。

更に確信したのが、「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」の会員に天才プログラマ兼AIエンジニアである「清水亮」さんが代表をされている「株式会社UEI」がいました。 清水亮さんも協会に所属しており、自分が凄いと思うAIエンジニアが2名も所属しているということは、本物に違いないという確信をしたからです。

そして、AIエンジニアの認定資格である「G検定」及び「E資格」の存在を知り、現在に至ります。

受験の目的

私が、「G検定」を受験した理由は数多くあります。

  • 既存ICT領域とAI領域の混同したAI時代が来ることが予想されること。
  • AI時代が来た時に求められるエンジニアは、ICT領域とAI領域の切りわけができるエンジニアだと思う。
  • AI領域は、ICT領域と比較して数学の勉強と人工知能全般の知識と人工知能を実際に表現する技術に対して、継続した学習で差がつきやすい領域であること。
  • ※上項より、AI時代に必要なAIエンジニアを必要とされる時代が来ても、突然には用意できない、準備が必要。
  • 企業に優秀なAIエンジニアの採用や募集をするには、AI事業の継続した活動が必要な事。
  • 株式会社ラウレアソリューションを来るべきAI時代に準備してコア事業のあるより強い会社にしたかった事。
  • ※.会社HPは私が取締役陣と検討して、「AS-IS」と「TO-BE」を表現しています。
  • 株式会社ラウレアソリューションに所属する社員が少しでもAI力を身に付ける事で、ICT領域及びAI領域で 80歳の老人になってもお客様に必要とされ、商いを継続してできるようになって欲しいから。
  • 株式会社ラウレアソリューションで積極的に協会の資格試験を受験する事で、 同じビジョンを描いている企業や優秀なエンジニアと知り合えるチャンスを増やしたかったから。
  • 株式会社ラウレアソリューション教育事業部でG検定、E認定を指導できる講師になりたかったため。
  • ※.「G検定」及び「E資格」の合格者には、「合格者によるコミュニティ」があります。
  • 合格時に「JDLA Deep Learning for GENERAL 試験年月」が記載された「JDLA」公認マークを名刺に印字できるようになる。
  • 同じビジョンをもった企業、エンジニアと名刺交換するときに会話になり易い上、お互いの認識度を把握できるから。
  • AI領域における標準技術、標準用語などを勉強するため、AIを目指す人には偏りが無くバランスの良い資格である事。

就職希望の学生、転職希望のエンジニアには、経歴書に「G検定」に関して記載できますし、 ICT業界に従事されている方は、「G検定」を名刺に印字することで、就職活動、転職活動、営業活動など様々な局面で AI領域に従事している方々と出会えたり、就職したりするチャンスが広がります。

名刺交換の際に「G検定」が印字されていたら打合せ時の挨拶において、AIに関しての会話が弾む事が容易く想像できます。

受験のスケジュール

受験のスケジュールは協会のHPに逐次更新されます。

G検定スケジュール

私が受験したのが、2018/11/24日のG検定です。2019年は予定では3回実施されます。

  • 2019年3月9日
  • 2019年7月6日
  • 2019年11月9日

年に3回受験のチャンスがあるのは、受ける方としては有難いですね。

受験費用と申込方法

12,960円(税込)、学生のみ 5,400円(税込)が受験費用になります。

受験費用は、協会の試験サイト「https://www.jdla-exam.org/d/」に受験時期が近くなると対象の試験用画面が表示されます。

個人で受験するまでの準備としては、以下となります。

  1. JDLA G検定受験サイト 操作マニュアルを一読する。
  2. 「https://www.jdla-exam.org/d/」サイトでアカウントを作成する。
  3. 対象のG検定の試験日が近くなると「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」に掲載されます。
  4. 「https://www.jdla-exam.org/d/」の「受験の申し込み」リンクを押下する。
  5. 受験の申し込み頁に遷移して、必要な入力項目を選択します。
  6. 受験費用の支払いに「クレジットカード」又は「バウチャー」が必要となります。
  7. JDLA G検定受験サイト 操作マニュアルに記載されているようにクレジットカードで入金を済ませると受験資格が付与されます。
  8. 注意点は、対象の受験日数日前に受験申込が打ち切られますので、入金が遅れないように気をつけて下さい。
  9. 申込処理が終了すると領収書になるメールが協会のアカウントから送られてきますので、受験が終わるまで大切に保管しましょう。

法人などの団体で受験する場合には、以下となります。

  1. JDLA G検定受験サイト 操作マニュアルを一読する。
  2. 一般社団法人 日本ディープラーニング協会」に試験近くになると団体申込の要項が記載されます。
  3. 2018/11/24時点での団体申込は、協会の窓口にG検定の団体申込メールを送信。
  4. 2018/11/24時点での団体申込は、協会の窓口より返答メール及び団体申込の入金方法やアカウント作成方法について連絡いただけます。
  5. 2018/11/24時点での団体申込は、協会の窓口に不明点を確認する。
  6. 2018/11/24時点での団体申込は、入金後試験受験者数分のアカウント登録を実施する。

団体申込についての詳細は、G検定が告知されてから協会のHPでその詳細が掲載されるので、最新の手続き方法を必ず確認して下さい。

必要書籍と合算費用

G検定に必要な書籍は以下となります。G試験の「推薦図書」は基本揃えて無駄がありません。

# 書籍名 値段 出版社 著者
説明
1 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの ¥ 1,512円(税み) KADOKAWA 松尾 豊
2 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト ¥ 3,024円(税込み) 翔泳社 一般社団法人日本ディープラーニング協会監修
G検定対策の公式教科書。内容が分かり易く試験を受験する人には必読書
3 AI白書 2017 ¥ 3,564円(税み) (編)独立行政法人情報処理推進機構
AI白書編集委員会
角川アスキー総合研究所
2017年までの人工知能分野に関する各基礎技術の説明と産業界への適用事例などの具体的事例を明記。
4 深層学習 機械学習プロフェッショナルシリーズ ¥ 3,024円(税込み) 講談社(編)独立行政法人情報処理推進機構
AI白書編集委員会
角川アスキー総合研究所
岡谷 貴之
深層学習の理論について数学による立証を含めた技術書籍。 E資格対策も含まれているため、G検定のみを検討される場合には前2書籍を徹底して読む

上記内容を鑑みると、書籍代で¥11,124 円費用そして、受験費用と合わせて合計で¥24,084円(学生のみ ¥16,524)となります。 書籍を後1~2冊追加することを考慮すると総額2,5万円~3万円(学生のぞく)が概算で必要となります。

試験範囲

目安は、深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキストを確認して下さい。

出題のバランスは、非常に良かったというのが自分の受けた感想です。

個人的には、公式テキストの以下を手厚く勉強すると合格に近づくと思います。

  • 4章 機械学習の具体的手法
  • 5章 ディープラーニングの概要
  • 6章 ディープラーニングの手法

この3章は、ディープラーニングのテクノロジーに関する肝となる章です。 この3章に記載されている内容と関係性、特徴を理解することが大変重要だと理解しました。 テクノロジーの本質的な理解をしていないと全く歯が立ちません。

他章と他書籍の内容は、何度も興味をもって繰り返し読む事が重要です。

G検定の試験には、数多くのカタカナ、英単語などの単語が出現します。 正確に覚えておいた方が試験にも以後のエンジニアライフにも得ですが、綴りを多少間違えていても選択式なので、そこまでシビアになる必要はありません。 但し、その単語が意味する内容や他の技術用語との関係性など単語に関わらる正しい知識が無いと選択式でも正しい解答が応えられません。

試験場所

試験はパソコンとインターネットがある場所であれば、どこの場所でも受験可能です。私の場合には通院の関係上自宅で受験しましたが、 社内で受験した人や実家に帰宅しており、実家で受験した人など様々です。

受験した感想としては、静かで集中できる環境が良いと思います。

それと、今はかなりレアケースだと思いますが、 回線が遅かったりPCが重く普通のWebサイトを閲覧するのに時間がかかる場合には、 試験時にストレスがかかるので事前に試験場所でのネットとPCの状況を確認しましょう。

受験日前までに受験サイトの環境確認用テストがありますので、必ずWebブラウザと通信環境の確認のため実施して下さい。

また、試験中の万一のトイレに備え、トイレが確保できる場所は必要です。

法人で受験される方は、会社で場所確保できるならば会社に集まった方が集中できると思います。 終わった後社員で意見交換したり、今後の事を話し合ったり合否に関係無く同じ受験者で意見交換することは大切だと思います。

試験当日の注意点

2018年11月24日の試験開始時間は、13:00からでした。試験は10分遅延すると状況の如何に問わず受験資格を喪失します。

試験開始1時間前には、試験場所でPCを用意して、Webブラウザを起動しておきトラブルが無いか確認しておきます。

喉が渇く人はペットボトルのお茶などは用意しても良いでしょう。※.集中していたので実際にはほとんど飲めませんでした。

所感

「G検定」が協会に公開されている例題やディープラーニングG検定公式テキストの例題から想像できて即答できた問題と きちんと各種書籍を熟読してしっかり理解していないと解けない問題が多くありました。

基本4択(2択~6択ぐらいもある)ですが、しっかり勉強していないと分からない問題ばかりです。

自分が言い出しっぺで株式会社ラウレアソリューションの多くの社員の時間を頂いので、 不合格になったらシャレにならないのですが、今回の合否に問わず、大変自分に役に立つ事が間違い無い確信を得たので、合格するまで受験と学習は継続したいと思います。

また、合否が決まっていない段階で説得力に欠けるのですが、以下が受験の時に気をつけていた内容です。

  1. 問題文をよく読む
  2. 5~10秒考えて分からない問題は基本次の問題へ進む。

兎に角問題数226問が多く、1つの問題に数分かけると後半ボディブローのようにきいてきます。 この記事を書いている自分も残念ながら「ディープラーニング」の前記入した4,5,6章の問題に時間配分にしくじり、 後半の60問近く問題を視れませんでした。

日々関連書籍を読んで、その技術に関して日々人と話したりすることで接していないと即答できません。

未だ合格していませんが、今回受験して得られることが大変多かったのでかけた費用分の価値は既に自分に変換できています。

これからAIエンジニアを目ざれる方は、是非一般社団法人 日本ディープラーニング協会のHPをご確認の上チャレンジして下さい。

また、既にG検定を取得された方是非知り合いに慣れたら幸いです。

結果発表

2018年11月30日のお昼過ぎ、登録したメールアカウントにG検定の合否判定メールが届きました。

結果は、【 不 合 格 】の文字が。。。。(冷や汗が)

総受験者数 2,680名 / 合格者数 1,740名 に見事に落ちる。

猛省しています。合格率高いので簡単な試験に思われるかもしれませんが、きちんと勉強しないと合格できません。

個人的には、自分が言い出しっぺで会社に「やりましょう」と展開しておきながら、落ちてしまうという恥ずかしさ。 これは自分が勉強の仕方が甘かったり、時間配分をしくじり最後の1/4を視る事ができなかったりしたことが全て。

但し、このG検定に挑んでよかったのが、会社で現場リーダーをして大変忙しい社員が見事に1発合格した事や、 役員、営業、技術部署関係無く会社で挑んで会社のAI力が少なからず上がった事です。

また、不合格になってしまった自分としては、問題とその時解答した正解率や偏差値、合格基準などを知りたいのですが、 こちらは、2018年11月30日時点では、協会の方ではフィードバックや情報公開はされません。

今後ですが、年3回あるので兎に角がむしゃらに対策して、受け続けます。